売上アップで、現金ダウン。資金繰り(融資)や納税を、シミュレーションいたします。
売り上げが急激に伸びると、手元のお金がなくなります。
頑張ったらお金がなくなるなんて、どういうことだ。。
そんなわけないだろうと考える方もいれば、
実際経験した方もいらっしゃるでしょう。
一体ナゼそんなことが起こるのか、ざっくり解説いたします。
山梨県中央市の税理士、田中です。
遅れてやってくる税金の支払いも、シンドさに拍車をかけます。
タナカ
例題で、お金と税金のシミュレーション
例(数字)で考えるのが分かりやすいです。
さっそく見ていくこととしましょう。
売上げは1月から200万円アップしています。
開業1年目であれば、毎月200万円の売上げ(年商2400万円)と考えてもOKです。
↓表の数字は「入金」「出金」の動きのシミュレーションですので、ご注意を。
(入金は3か月後、支払いは翌月とします。1月は、売上増に備えて、仕入れを増やしたケースです。)
増えた入金 | 増えた支払 | さいふ残 | 税金30% | |
1月 | 0 | 24万円 | ||
2月 | 240万円 | △240万円 | 24万円 | |
3月 | 120万円 | △360万円 | 24万円 | |
4月 | 200万円 | 120万円 | △280万円 | 24万円 |
5月 | 200万円 | 120万円 | △200万円 | 24万円 |
6月 | 200万円 | 120万円 | △120万円 | 24万円 |
7月 | 200万円 | 120万円 | △40万円 | 24万円 |
8月 | 200万円 | 120万円 | +40万円 | 24万円 |
: | : | : | : | : |
12月 | 200万円 | 120万円 | +360万円 | 24万円 |
税金増→ | 288万円 |
少々乱暴なシミュレーションですが、
- 8月にようやくお金がたまりだし、年末に360万円残った
- 年明けの確定申告で、税金を288万円支払う
ということが、お分かりいただけるかと。
お金、たまらないものですね。。
上の例では、最大で360万円、お金がショートします。
その分は、銀行からの融資を考えるなど。
なかなか一筋縄ではいきません。
経費を増やすか?
税金288万円を少なくしたい(0にしたい)。
じゃあ、経費を増やそうか。
と考えてはダメです。
必要なものは買っても、不要なものはNG。
利益の30%が税金です。
理論上は、70%が手元に残るのです。
経費を増やして30%の税金を減らす、
イコール、
手元に残るはずの70%のお金も、なくなってしまいます。
お金は、アナタとならんで歩いていきます。節税・お金を残す・望みは何よ?
支払いサイトを1か月伸ばしてもらう
売上げ→入金
のサイトは、なかなか短縮してもらえません。
相手が大手であるほど、難しいでしょう。
では、「支払いサイト」はどうか?
こちらは交渉の余地があります。
上の例の場合であれば、支払いを2か月待ってもらう(上の例より1か月遅く支払う)ことで、6月の「さいふ残」が「0」に。
ショートするお金は、3月の240万円が最大となります。
さいごに
こんなに苦労するものなのか、
サラリーマンのほうがいいじゃないか、
そう思われたかも知れません。
しかしいずれ、業績に見合うお金がついてきます。
遅れてお金がついてくるので、最初は苦しいです。
本当にしつこいですが、遅れても、お金はついてきますので。
くれぐれも、目先の税金に目を奪われるなどして、余計なお金を使わないようにしましょう。