3分で読める。流動比率と当座比率。中身は「返済能力ございますか?」の指標
返済能力を見るための数字に「流動比率」というものがあります。
よりキビシク見るための「当座比率」という数字も。
それぞれどんなものか、サクッと解説いたします。
山梨県中央市の税理士、田中です。
地味な存在の2つの比率。
たまーに登場することがあります。
知っておいて損はありません。
タナカ
「流動比率」ってナニ
流動比率と言う数字があります。
流動資産を流動負債で割って、パーセンテージで表したものです。
1年以内に返済する負債(流動負債)。
これを返せそうかどうか、返済能力を見ていく数字になります。
(この数字が200%もあれば、立派なものだと言われています。)
流動比率、信用していいの?
流動比率、本当に信用していい数字なのでしょうか。
貸借対照表(B/S)の流動資産を見てみましょう。
次のような疑問が浮かんでくると良い感じです。
- 商品は本当に1年以内に売れるか
古くなってしまうんではないか、腐ってしまうんではないか→廃棄 - 受取手形は本当に期日におカネになるか
- 売掛金は本当に回収できるのか
- 貸したお金(短期貸付金)は本当に戻ってくるのか
- 前払金は戻ってくるお金じゃないぞ
- (商品券は、まぁお金みたいなものだけど)
キャッシュとして回収できなければ、返済能力もなにも、あったもんじゃありません。
銀行や仕入先(外注先)に、おカネの代わりに、売り物(商品)を渡すわけにもいかないでしょう。
「当座比率」ってナニ
流動資産から棚卸資産(商品、製品、材料など)を除いて、流動負債で割る。
これをパーセンテージで表したものを、当座比率と呼びます。
商品などの棚卸資産は、いつ売れるかわかりません。
その「いつ売れるかわからない」→「いつキャッシュ化できるかわからない」
を取り除いて、計算を行います。
返済能力をキビシク見ていこうという姿勢がうかがえます。
流動比率と比べ、より客観的な数字と言えるでしょう。
数字は、前年以前(前期以前)と比べて使おう
流動比率にしても、当座比率にしても、前年(前期)以前の数字と比較しなければあまり意味がありません。
単一の年で眺めても、それほど意味がないです。
・ここ数年で改善してきたな
・悪化してきたな。。
という具合です。
半年(半期)に一度、3か月(四半期)に一度 数字を出す
→比較する。
というのもイイですね。