青色事業専従者給与と、不動産貸付業の事業的規模(住宅・建物・土地・駐車場)。入門の入門。

専従者給与の話しです。
プラス、不動産貸付業の事業的規模の話しも。
不動産貸付業については、「事業的規模」であればかなりお得です。
(青色65万控除+青色事業専従者給与 で。)
山梨県中央市の税理士、田中です。
何事もキホンが大事です。
要点だけ、ちょっと知っておきましょう。
タナカ
※以下、青色申告を前提といたします。
家族に支払った給与が経費に(青色事業専従者給与)
青色事業専従者である家族に支払った給与は、経費になります。
これには条件がございまして、次のとおりです。
- 事業主と生活のサイフがいっしょの配偶者、子どもなど
- その年の12月31日現在で、15歳以上。
(または死亡当時、15歳以上。) - 年を通じて6か月を超える期間、事業主の事業にもっぱら従事していること
「青色事業専従者給与に関する届出書」を、税務署に提出していることが条件です。
「青色事業専従者給与に関する届出書」の提出の期限は?
提出期限は、3月15日までです。
→たとえば、平成30年3月15日までに税務署に提出すれば、平成30年の経費にできます。
新しく事業を開始したり、新しく専従者が働きだしたら、期限が次のように変わります。
新しく事業を開始したら
1月16日以降に新しく事業を始めた。
→始めた日から2か月以内に、税務署に提出
→提出した年の経費にできます。
新しく専従者が働きだした
1月16日以降に、新しく専従者が働きだした。
→働きだした日から2か月以内に、税務署に提出
→提出した年の経費にできます。
専従者給与じゃなく、ふつうの給料となる例
たとえば、生活のサイフが別(生計が別)の子に給料を支払う場合。
これは、通常の給与(給料)です。
専従者給与ウンヌンではなく、給与(給料)として経費になります。
不動産貸付業では事業的規模が条件
土地や建物の貸付け事業は、
- 青色申告の65万円控除
- 青色事業専従者給与
に条件がございます。
「事業的規模」というやつです。
事業的規模に該当するかどうか。
ある条件を満たすと、事業的規模ということになります。
事業的規模の形式基準
ズラっと条件を並べます。
当てはまるものが1つでもあれば、「事業的規模」です。
- アパートなど(住宅用)の、貸せる部屋数が10以上
- 貸せる一戸建て住宅が10棟以上
- 貸事務所などは、貸せる建物が5棟以上
(1棟まるまる貸すタイプで、住宅用ではないものです。) - 貸しビルなどは、貸せる部屋が10室以上
- 貸せる土地が10以上
- 貸せる土地の面積合計が、2000平方メートル以上
上記を、複合的に考えないといけないケースもあります。
「上記の2つ以上で考えるのだけど、それぞれ数字は下回っているよ?」
という場合ですね。
その場合、貸家1棟はアパート2室と考える など、なかなか複雑です。
不動産貸付業の小まとめ
「形式基準というものがある」と書きましたが、まずは形式基準です。
満たさない場合、その先があります。
その先
形式基準に当てはまらないときは、さらに、次の数字に当てはめて考えます。
- 住宅用の貸付け→収入金額が年1,000万円以上、かつ、住宅用建物の貸付面積が700平方メートル以上
- 建物の貸付け→収入金額が年額1,000万円以上、かつ、建物貸付面積が700平方メートル以上の場合で一定の場合
最後の「一定の場合」は、ちょっと複雑です。
まずは形式基準で。ダメなら、その次もある。
くらいの認識でダイジョウブです。
(おまけ)事業的規模は、個人事業税
事業的規模、良さそうなことばかりです。
でも、事業的規模は、個人事業税がかかってきます。
(必ずかかるワケではありません。控除額を控除して納付額ゼロ、ならば、かかりません。)
そうだ。駐車場はどうなの?<駐車場の事業的規模>
駐車場もありましたね。
カンタンなので、サクッといきます。
- 駐車スペース50台以上
ちなみに、「10台以上」で個人事業税の対象となります。
立体・屋根つき・地下、これらの駐車場は即、個人事業税です。
(個人事業税については、またいずれ。別記事にて。)
配偶者控除・扶養控除が受けられません
青色事業専従者給与は経費になります。
がしかし。
専従者給与を受け取った家族は、配偶者控除・扶養控除の対象から外れます。
「えー、そうなんすか。。」
と後でならないように。
頭の片隅に入れておきましょう。